投稿

5月, 2026の投稿を表示しています

日本の医薬品セクターを取り巻く「出口の見えなさ」 -新薬業界の構造改革が必須ではないか-

1.政府・自民党・業界の最近の動き    橋本 岳議員が座長を務める自民党 社会保障制度調査会の「創薬力の強化育成等に関するプロジェクトチーム」が会合を持ち、政府の日本成長戦略会議による「官民投資ロードマップ」策定を念頭に、 創薬分野の成長戦略に関する決議案の大筋を了承したと 業界誌で報じられている。  バイオ製造拠点の整備や各種人材の育成などのほかに、明確に政府の求めるテーマには入っていないようであるが、問題の大きな「本丸」である「薬価制度問題」については、 「 費用対効果評価制度などの見直しを含めて特許期間中の薬価維持」を提言したと報じられている。  しかし、4月20日に報じられたPhRMAの 五十嵐啓朗在日執行委員会委員長 (ファイザー株式会社社長)の「世界の中で日本の新薬への研究開発投資が大きく低い」「トランプ大統領のMFN(最恵国待遇)政策の影響で、ドラッグロス/ ラグの悪化につながる」との発言も危機感を募らせるし、 「 経済成長と国民皆保険制度の持続に必要な具体的な制度改革について議論を行う 」 薬価制度のパラダイム転換 を求めている。    医薬品セクターの中ではこれらの懸念・危機感は良く知られたものであろうが、また自民党のいわゆる厚労族の議員達の認識や懸念も大きくは異ならないと考えられるが、問題は政府全体の認識・方針である。 2.政府の方針と経済安全保障   21年の菅 義偉内閣下で始まった中間年改定や特許期間中の薬価改定(=薬価引き下げ)の廃止は今までも強く求められてきたが、実現していない。   政府の国会での説明などが変更され、前者が廃止されれば、もちろん医薬品セクターにとって大きな福音にはなるだろうが、ではそれが、政府や自民党から時々発される新薬業界の 「構造改革」 に結びつくかははなはだ疑問である。後者についても、特に財務省は、日本は保険収載の関門は世界一緩いのだから、特許期間中と言えども薬価の引き下げは当然と思っているかも知れない。「医薬経済」5月1日号に載った手代木 功 塩野義製薬代表取締役会長兼社長CEOのインタビューの最後にも「なんでもかんでも医療用医薬品が処方され、3割負担で本当に国が持つのだろうか。それなりにセルフメディケーションを位置づけたほうがいのではないかと思う。」とある。正論...