新薬対象だった米政権の製造基盤の国内回帰政策に続く「ジェリック薬への拡大」の動きについて+インドの中国原薬依存について
7月8日の米業界誌 STAT+の独自情報と銘打った記事では、秘密会合の出席者には国務長官・保健長官、業界もエネルギーや金融関係にまで及んだとのことだ。対象の多くはジェネリックである。前の新薬関連の政策より幅は広く、関税のほかに政府調達、投資促進などが議論されているとのこと。
これは、日本で往々見られるような弥縫的な政策ではなく、大きな総合的な変化を目指し、29年1月の現第二次トランプ政権期間内での政策立案を目標としているようである。記事には中国の名が表れ、もちろん経済安全保障の観点である。この動きは、仮に民主党政権下であっても、対中国に関する限りはあまり変わらないと感じる。
また、ニューズウィーク日本版(後半は有料)では、 7月9日付けで「『世界の薬局』インドを揺さぶる、中国原薬依存という時限爆弾」と題した記事が載っていた。 まさに標題のとおりであるが、概要は以下の通り:
米国では、最近の10の主要な治療領域のうち半数で、処方薬の過半数をインド企業が供給していた。 しかし、「インドはAPI(原薬)の約70 %を中国から輸入しており、その度合いは近年さらに高まっている」とある。規模の経済、コスト安、国家支援が、中国が世界のAPI生産の約40%を担っている理由とあり、このような事情は米国だけでなく、世界の先進国や途上国にも及ぶ。中国がレアアースのようにAPIやその中間体の輸出を規制すれば、米国はじめ世界のジェネリック医薬品の供給体制にも影響が及ぶ。
インドでもその対策が進められているが、これはもちろん世界に大きな影響を及ぼす。
記事の見出しには「国際協力を進める好機」とあり、西側諸国にとっては、インドへの資金提供が、自国の医薬品供給網の強靱化につながるとされている。中には「中国以外の供給源の共同認証」(筆者注:日本薬局方の独自規格が障害にならないようにする必要がある)などがあげられている。
中国への大きな依存という現実を前にして、国際協力により、ジェリック医薬品等のサプライチェーンの安全性をどう確保するか。
日本でも数年前のCPhIで、確かMeijiseikaファルマの方であったが、日本の安定供給について、東南アジアを例に挙げて国際協力に触れておられた。米国や欧州がまずイニシャチブをとり、それは個別の政策になるかも知れないが、日本も今後、弥縫策に止まることなく、対応していくことができるだろうか。
コメント
コメントを投稿